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ソフトウェアエンジニアという仕事(2)

ソフトウェアエンジニアのデメリット

前編の記事では、ソフトウェアエンジニアに転身し、感じたメリットについてまとめてみました。

今回は、デメリット、正確には苦労したと感じている点について解説してみます。

苦労した点

個人の能力・適性に大きく左右される

多くの職種を経験したわけではありませんが、ITエンジニア、特にソフトウェアエンジニアは個人の能力(技術力含む)が重視されます。意識して能力を伸ばすプランを自分で考えないと、理想とするキャリアを描くことは難しくなります。

プログラミングやシステム構築自体、習得のスピード差が大きい内容だと思います。できない人は手取り足取り教えても中々できるようにならない一方、できる人は勝手に成長して既存社員を軽々抜き去っていく、なんてことは日常茶飯事です。

身体面

デスクに座って一日中ディスプレイと向き合うので、視力の低下や運動不足に繋がります。
意識的に身体を動かさないと健康状態がどんどん悪化していきます。肩も凝ります。

軌道に乗るまでは相当学習が必要

ITエンジニアが必要とされる知識は幅広く、例えばソフトウェアエンジニアはコードを書ければそれで良し、ではありません。コマンドやデータベース、その他ミドルウェアの知識、設計の考え方など、学ぶべきことは山のようにあります。
技術面もそうですが、システムというのは利用者の何かしらの課題を解決したり、メリットを与えるために作られているので、それがどのような内容なのか(いわゆるドメイン知識と呼ばれます)も併せて理解していかないと仕事になりません。

特に異業種からの転職の場合、キャリアチェンジに成功しても1〜2年くらいは落ち着けず、業務終了後もついていくために必死に勉強、みたいなことになりがちです。学習という行為が習慣化していない人は辛いかもしれません。もちろん、楽しくて仕方がないという状態になるのが理想ではあります。

なお、Web業界は単なる経験年数が年収に直結しづらく、ある程度は成長したいという気持ちがないと損しがちな業界でもあります。

コミュニケーション面

リモートワークが増えてきて、コミュニケーションの新しいやり方に慣れていく必要があります。特に、教育に関して難易度が急激に上がっていると思います。私はコロナ禍の前にIT業界に入ったこともあり、教育を受ける際はオフィスで仕事をしていたのでさほど苦労はしませんでした。
逆に、後輩が入ってきて指導する際はほぼフルリモートワークになっており、どのようにコミュニケーションを取れば即戦力になってくれるか、ということには苦慮しました。積極的に自分で調べたり、状況を開示するコミュニケーションを取れる人であればスムーズですが、これもまた適性によるものが大きいです。

ある程度自力でこなせるレベルに到達してしまえば、転職してドメインや技術スタックが変わってもこなしやすくはなります。ただ、ミスマッチというのはいくらかは発生し、かつコミュニケーションにも障壁を感じて早期退職、という事例も珍しいとは言えないのが実情のようです。

個人的にはそこまで辛くないが人によっては辛そうな点

深夜、休日作業の可能性

システムは人が触っていなくても常時動いています。日中しか動いていないサービスはあんまりないでしょう。

運が悪い時、深夜や休日にトラブルが発生して突発的に対応が必要になるケースがあります。当番制で営業時間外に対応するメンバーを割り当てることもあります。

また、サービスの停止が必要なメンテナンスなど、ユーザへの影響が大きい作業を行う際はあまり使われない時間帯に実施されることがあります。そのような場合、突発的なものではないものの、深夜や休日対応が必要になるケースがあります。

普通に考えればかなり辛いですが、幸いトラブルが頻発するシステムに関わったことはなく、以前の職場でも休みだろうが何かしらやっていた(対応しないとより面倒なことになるので...)こともあり、多少辛い時がある、程度で済んでいます。家から作業できる点も大きいですね。

人材取り合い競争の観点からも、頻繁に時間外労働が発生する環境は望ましくありません。頻発するサービスに関わる事になった場合、短期的には手当の支給、中長期的には新規開発を抑え、品質向上のための取り組みに集中するといった対策が取られるのが健全です。いずれにせよ、しっかりした企業であれば不満が小さくなるように取り計らわれることが多いです。そうでなければ転職を視野に入れましょう。
なお、転職がなかなかできないレベル感の場合、矢面に立たされなくて(どうせ対応できないので)案外辛くないというケースもあります。

リモートワークの場合、仕事環境を整えるのが大変

オフィスは働く上で快適な環境が整備されています。IT企業といえば無料や安価で手に入る食事や飲料が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、デスク、椅子といった長時間過ごす作業場所の環境は最も重要と言えます。しっかりした企業はこのあたりは力を入れています。

一方、家で長時間のデスクワークに耐えうる環境を整備できている方はどれくらいいるでしょうか。少なくとも多数派ではないと考えています。

私はソフトウェアエンジニアに転職する際、今後長い時間椅子に座ることになるだろうと考え、かなり良い椅子を買いました。その他デスク周りは少しずつ揃えていき、今ではそこそこのオフィスには引けを取らない環境になりました。

しかし、これらの設備投資にはそれなりにお金もかかりますし、間取りや家族の状況によっては快適な環境を整備することが難しいこともあるでしょう。

そうなると、リモートワークが前提になる場合に結構辛いことになります。家で良い環境を整備することが難しい場合、オフィス出勤が許可されているようであれば活用したほうが良いケースもあるでしょう。許可されている場合はサテライトオフィス等を利用するのも手です。

絶対にリモートワークを主軸に置きたい、という場合は諦めて投資しましょう。悪い環境で働くと瞬時に身体を壊します。

おわりに

結構打算的にソフトウェアエンジニアに転職した、という印象を持った方が多いかもしれません。実際それは間違っていません。

ただ、日々それなりに楽しんで仕事をしていることも確かです。苦痛に感じるような仕事は中々続きません。毎日「何もわからん」「おしまいだ」「ヤバ過ぎる」と漏らしながら働いていることもまた確かですが、それでも結構楽しくやっているというのが正直なところです。

若い人でIT業界に興味が強い人はどんどん飛び込むと良いと思います。逆に、30を過ぎると正直オススメとは言えません。積み上げたものもあるでしょうし、リスクが大きいので相当慎重になるべきだと考えています。それでもやりたいと思った方、一緒にお仕事ができる日を楽しみにしています。私も20代の終わり際に転職したので結構遅咲きです。