lifehackchan

人生をちょっと楽に、快適にするさまざまなライフハック情報をお届けします

ソフトウェアエンジニアという仕事(1)

ソフトウェアエンジニアという仕事

最近はIT系企業の人気が高まっており、特にエンジニアの人気は急上昇しています。学生の志望職業ランキングでも上位に位置づけるようになり、情報系の大学・学部入試難易度が上がってきています。また、異業種から転職を希望する既卒者・第二新卒者も増加傾向にあります。

私もソフトウェアエンジニアとして働いていますが、元々製造業でITとは関係ない職種で働いており、大学等でも情報系の教育を受けていません。

ソフトウェアエンジニアに転身し、感じたメリットやデメリットについてまとめてみました。長いので前後編とし、まずはメリットを中心に解説します。

自分自身の経験

数年前、IT業界の将来性の高さ、転勤がない(これは会社次第ではありますが...)ことなどを魅力に感じ、キャリアチェンジをしました。当時はプログラミングスクール等が少しずつ話題になり始める頃でしたが、特にそういったものは使わず、独学で基礎を習得し、Webサービスの企業に潜り込みました。
現在はIT2社目ですが、まあなんとかやれており、労働環境も業務内容も満足しています。

ここ数年、未経験転職が話題に上がりますが、個人的に感じた良かった点、苦労した点を挙げてみようと思います。

どのように勉強したか、については正直再現性が無いと思っており、人によってさまざまな手法が考えられますのでそこにはあんまり触れないでおきます。
ただ、大金を注がなくてもIT知識の習得は十分に可能です。

なお、Webサービスを展開する企業にしか在籍したことがないため、SIerやSES、組み込みの場合はまた別の世界があると思います。あくまでもWeb系のいち意見としてお考え下さい。バリバリの生存バイアスです。

良かった点

まずは個人的に良かった点を挙げます。が、結構良し悪しや注釈が必要だと思いますので詳しく書いておきます。

転勤がない

Web系企業でエンジニアとして働く場合、意に反する転勤要請はあまりありません(そもそも事業所が複数ないケースもある)。最近はフルリモートで勤務地に縛られないといったケースもあります。

共働きや家庭の事情がある場合、転勤が無いというのは人生設計上かなりやりやすくなります。転勤は数週間とか1ヶ月前にいきなり言われることも全然普通にありますが、だいぶ常軌を逸していると思います。

給与面もそこそこ良い

環境や努力次第ではありますが、「そこそこ」の給与レベルまでは結構スピーディーに上がります。独立したエンジニアとして(上位メンバーから手取り足取りサポートを必要とせず、ある程度個人の裁量で設計・実装が進められるレベル)一定の役割が果たせるのであれば、中小で年収500〜600万、大手(メガベンチャー)で700〜800万程度までは現実的に達成できるラインです。

ただ、1000万を超えるということになると一気に難易度が上がります。マネジメント方向に挑戦する、外資系大手IT企業に転職する、勢いのあるスタートアップで上位エンジニアとして転職するといった戦略が考えられます。書籍を出すような有名エンジニアでも1000万を超えないことはザラであり、国内企業で一エンジニア、いわゆるindividual contributorで通そうとするとかなり難しいのではと思います。

リモートワークができる

直近のコロナ禍が引き金になったことは間違いないでしょうが、採用競争力の観点でもリモートワークを採用している企業が増えてきました。言うまでもないことですが、リモートワークは通勤時間が無くなるため、時間効率がかなり良くなります。

ただ、人によってはリモートワークが肌に合わないということは十分に考えられるので、リモートワークで自分はしっかり働けるだろうか、という点についてはよく考えておいたほうが良いでしょう。逆に、仕事とプライベートの境目が曖昧になって働きすぎるケースもあるでしょう。

なお、リモートワークを積極的に採用する企業とそうでない企業は結構別れているようで、ビジネス伸び盛りな企業では積極的にオフィス出勤する傾向があるようです。

ビジネスの効率性、速度だけを考えた場合、正直なところ一般的な日本の企業はオフィスのほうが良いだろうと考えています。が、それがどうしたというのも正直なところ(出勤する会社の方が待遇が良いみたいな傾向もあんまりなさそう)。別に経営者ではないので...

ワークスタイルというよりは福利厚生として認識しておいたほうが無難な事項と思います。

多様な働き方ができる

ITエンジニアはフリーランスが多い職種でもあります。一般的な社会人は週5日、1日8時間前後働きますが、フリーランスであれば契約さえ整理しておけば週2〜3程度で抑えることも可能です。その分収入は減りますが、現状は相場が良く、需要自体も伸びているので当面は崩れることは無いでしょう。契約や税金の対応をしなければならない面倒さもありますが、キャリアの停滞を起こさずに労働時間を減らすといった芸当が可能です。

また、正社員として働きながら副業で働くというのも比較的やりやすいです。日中帯の業務が難しくなり、かつ確保できる時間も多くはないので案件としては決して多くはありませんが、人づてなどで副業先を見つけることができれば、安定した正社員の立場を持ちながら副業で更に収入を上げることも可能です。
労働時間がその分増加するので、体調管理には十分注意することが必要となります。また、副業について勤務先から許可を得るといった対応も必要になるかもしれません。

IT業界は人の出入りも多い上、個人の能力が強く重視される業界です。数年程度空白の期間があったり、異なるタイプのチャレンジをしていたとしても受け入れてもらいやすい環境だと思います。とにかく働き続けるのが大事、という従来の労働観から完全ではないにしろ解放されます。

人材需給の観点で比較的立場が強い

ITエンジニアは企業間の取り合い競争が激しく、給与相場が上昇傾向にあります。退職を防ぐため、企業は待遇を頑張って上げています。
ITエンジニアは1〜2年で転職してしまうケースも珍しくなく、短期間だと教育・オンボーディングに費やしたコストと成果の釣り合いが取れません。また、採用自体が簡単ではないので大切にされる傾向があります。

とはいえ、昇給は一定のルールに基づいて行われるケースが多く、そういったルールを無視できる転職が待遇アップに最も効果的というのは当面変わらないでしょう。給与交渉のタイミングになるのもそうですが、待遇は結局の所儲かっている会社かそうでない会社かに強く左右されます。強いこだわりがなく、待遇面の向上を狙うなら数年程度で転職を視野に入れたほうが良いでしょう。